「暗号資産詐欺にあったけど、警察と消費生活センターのどっちに電話すればいいの?」
「費用が高そうだけど、弁護士に頼むべき?」
と悩んでいるかた、この記事を最後まで読んでください。
- 相談先を迷っている間にも、犯人はお金を別の場所へ移しています
- 弱みにつけ込んで「全額取り返せます」と、近づく業者が増えます
この記事では暗号資産詐欺の相談先6つを解説して、できることとできないことで整理しました。
弁護士に依頼する方法と、無料で相談できる方法もまとめています。
暗号資産詐欺の相談先は6つ、お金を取り戻す手続きができるのは銀行と弁護士

暗号資産詐欺にあったときの相談先は6つあり、それぞれ役割が違います。
まずは全体を表で見てください。
| 相談先 | できること | できないこと |
|---|---|---|
| 警察(#9110) | 被害届を受け取り、犯人を捜す | お金を取り戻す交渉 |
| 消費者ホットライン(188) | 次にやることを一緒に整理する | 相手との交渉 |
| 金融庁の相談ダイヤル | SNSの投資詐欺の相談を受ける | あなたのお金を取り戻すこと |
| 振込先の銀行 | 犯人の口座を止めて、残ったお金を被害者に分ける | 暗号資産で送った分の返金 |
| 送金に使った取引所 | 詐欺の送金先の報告を受ける | 送った暗号資産の取り消し |
| 法テラス・弁護士 | 相手との交渉や裁判 | 相手が誰か分からないときの回収 |
※電話番号と受付時間は、このあと窓口ごとに紹介します。

じゃあ、警察に相談してもお金は戻らないってこと…?

犯人が捕まれば、お金を取り戻せる見込みが出てくる。被害届は口座を止めたり犯人を追ったりする材料になるんだ。
暗号資産詐欺の相談先は、そのときの状況下で選ぶ

被害を訴える最初の相談先は、今どんな状況にいるかで変わります。
自分に近いものを選んでください。
- まだ払っていない・迷っている
→ 188か、金融庁の相談ダイヤル - もう払ってしまった
→ 警察の#9110(銀行振込なら、先に振込先の銀行) - 送金に国内の取引所を使った
→ 取引所のサポートにも報告 - 弁護士に頼むか迷っている
→ 法テラス
188とは、近くの消費生活センターにつながる電話番号です。相手が業者を名乗っているときや、何から手をつければばいいか分からないときに使います。

まだ騙されてなく1円も払っていないのに、電話していいのかな…

払う前の相談こそ大事だ。
払う前に止められれば、被害は0円で済むぞ。
払ったあとの電話の順番と、電話の前に残す証拠は、次の記事にまとめています。
→暗号資産詐欺にあったら最初にやるべき行動とやってはいけないNG行動
警察の#9110は、被害届を出すための相談窓口

#9110とは、緊急ではない相談を受け付ける警察の電話番号です。全国どこからかけても、地元の警察の相談窓口につながります。
多くの地域で平日の日中だけ受付しています。
夜間や休日は、警察庁のサイバー事案に関する相談窓口から地元の警察を探してください。
#9110の電話口で聞かれること
電話の最初に聞かれるのは、次の4つです。
- いつ、何回お金を送ったか?
- 全部でいくら払ったか?
- 暗号資産・銀行振込・カードのどれで払ったか?
- 相手の名前やアカウントID、サイトのURL
すぐに答えられなくても大丈夫です。
取引所の送金履歴や銀行の振込明細を見ながら答えましょう。
被害届を断られたら「被害届を出したい」とはっきり伝える
警察で「まずは相談として受け付けます」と言われることがあります。相談のままで終わると、捜査は始まりません。
警察には被害の届け出を受け取る決まりがあります。
犯罪捜査規範という、警察が守るルールの第61条。

「被害届を出したいです」と、はっきりと伝えましょう。

証拠と時系列のメモを持っていくと、話が進みやすくなるぞ。
金融庁の相談ダイヤルは投資詐欺の専門窓口

金融庁には「投資詐欺に関する相談ダイヤル」があります。2024年6月にできた、投資詐欺の専門の窓口です。
SNSやマッチングアプリで知り合った人に、投資を勧められた人のためのダイヤルです。有名人を名乗る広告などから詐欺にあった人も相談できます。
金融庁「投資詐欺に関する相談ダイヤル」
電話:0570-050588
(IP電話からは03-6206-6066)
受付:平日10時〜17時
ウェブ:24時間受付
相談ダイヤルは、あなたのお金を取り戻す窓口ではありません。しかし寄せられた情報は、金融庁が無登録の業者に対応するための貴重な材料になります。

暗号資産取引を勧めてきた業者が、金融庁に登録しているかを1度確認してみましょう。
日本で暗号資産の売買サービスをするには、金融庁への登録が必要。金融庁に登録していない業者が営業するのは法律違反です。
金融庁のホームページには、登録している業者の一覧が載っています。警告を受けた無登録の業者の名前も公開されています。
勧められたサイトの名前が登録業者の一覧になければ、詐欺を疑いましょう。
→金融庁:暗号資産・電子決済手段関係(登録業者一覧・無登録業者一覧)
送金で使った取引所には詐欺にあったことを報告

国内取引所から暗号資産を送った人は、その取引所のサポートにも連絡しましょう。

伝えるのは送金先アドレスとトランザクションID。
送金先アドレスとは、相手に「ここに送って」と指定された送り先のこと。トランザクションIDとは、送金1回ごとに付く番号のことです。
送金先アドレスとトランザクションIDは、取引所アプリの送金履歴の詳細画面に載っています。

取引所の対応に納得できないときは、日本暗号資産等取引業協会に相談してくれ。
日本暗号資産等取引業協会とは、国内の取引所が加盟している業界団体です。加盟している取引所への苦情を、ホームページの問い合わせ窓口で受け付けています。
暗号資産詐欺にあった場合の弁護士に依頼する基準

弁護士は裁判で、お金を取り戻す手続きを進められます。
結構な費用がかかるので、依頼すると損する場合もあります。
弁護士に依頼したほうがいい場合の基準
弁護士に依頼する価値あるのは、次のような場合です。
- 振込先の口座名義など、相手につながる情報がある
- 送金先が国内の取引所の口座だと分かっている
- 被害額が大きく、弁護士費用を払ってもお金が残る見込みがある
相手が誰か分からないと、交渉も裁判もできません。海外の業者で手がかりがない場合は、費用だけかかって終わることが多いです。
かかった費用のほうが、取り戻したお金より多くなることを「費用倒れ」といいます。
弁護士に依頼する前に弁護士に聞く3つの質問
以下の3つの項目を、依頼する前に弁護士に聞いてください。
- 取り戻せる見込みは、どれくらいありますか?
- 着手金・成功報酬・実費を合わせて、いくらかかりますか?
- 取り戻せなかったときは、いくら払うことになりますか?
- 弁護士に払う費用
- ・着手金:結果に関係なく最初に払う費用
・成功報酬:取り戻せた金額に応じて払う費用
・実費:郵送料や裁判所に納める費用
誠実な弁護士は、取り返せる見込みが低ければ、依頼を断ってきます。
「必ず取り戻せます」と言い切る事務所や業者は、詐欺師の可能性が高いので避けましょう。
法テラスは条件に合えば30分の相談が3回まで無料
法テラスとは、国がつくった法律相談の案内窓口です。
収入と預貯金が一定以下なら、弁護士に無料で相談できます。
無料になる目安は次のとおり。
| 家族の人数 | 手取りの月収 | 預貯金 |
|---|---|---|
| 1人 | 18万2,000円以下 | 180万円以下 |
| 2人 | 25万1,000円以下 | 250万円以下 |
| 3人 | 27万2,000円以下 | 270万円以下 |
※東京23区や大阪市などの都会に住む人は、月収の基準が高くなります(1人なら20万200円以下)。
相談は1回30分で、同じ問題なら3回まで無料。
条件を満たせば弁護士の費用を立て替えてもらい、分割で返すこともできます。
法テラス・サポートダイヤル
電話:0570-078374
受付:平日9時〜21時、土曜9時〜17時

月収が基準より多かったら、もう相談できないの?

無料の相談が使えないだけで、問い合わせはできます。
法テラスに電話すれば、地域の弁護士会などの相談窓口を教えてもらえますよ。
暗号資産詐欺の相談でよくある質問

相談するのにお金はかかりますか?
#9110・188・金融庁の相談ダイヤルは、相談料がかかりません。かかるのは通話料だけです。
0570で始まる番号は、スマホのかけ放題のプランでも通話料がかかることがあります。金融庁の相談ダイヤルなら、ウェブからも相談できます。
何箇所にも相談したほうがいいですか?
全部に電話する必要はありません。
払ったなら#9110、払う前なら188か金融庁の相談ダイヤルから始めましょう。次に何をすればいいかは、最初の窓口で教えてもらえます。
相手が海外にいても、相談する意味はありますか?
意味はあります。
お金を取り戻すのが難しくても、あなたの情報が他の被害とつながることがあります。同じ送金先や手口の情報が集まると、口座の凍結や犯人の逮捕につながります。
騙されたことが辛くて、誰にも話せません
詐欺は騙された側が、恥ずかしさで声を上げにくい犯罪です。気持ちはわかりますが、勇気をだして相談しましょう。悪いのは騙した犯人です。
法テラスには犯罪の被害にあった方向けの「犯罪被害者支援ダイヤル」があります。電話は0120-079714にかけると、支援を案内してもらえますよ。
暗号資産詐欺の相談先は、支払ってしまったなら#9110、支払う前なら188か金融庁

最後に、この記事の要点をまとめます。9110
- お金を取り戻す手続きを進められるのは、振込先の銀行と弁護士だけ
- 払ってしまったら、今日中に#9110へ電話する
- 払う前なら、188か金融庁の相談ダイヤル(0570-050588)へ
- 相談ぐらいにしかのってもらえないなら、「被害届を出したい」とはっきり伝える
- 弁護士に依頼する前に、かかる費用の総額と騙された額を取り戻せる見込みを聞く
- お金に余裕がなければ、法テラス(0570-078374)で無料相談
- 「必ず取り戻せます」という業者や事務所は避ける
窓口の詳しい情報は、金融庁の相談ダイヤルと法テラスの無料法律相談のページで確認できます。
よくある詐欺の手口は、暗号資産詐欺の手口と見分け方で解説しています。
※この記事は2026年10月4日時点の情報をもとにした一般的な解説です。
受付時間や制度は変わることがあります。
身の危険があるときは110番へ、個別の対応は警察・消費生活センター・弁護士に相談してください。