2021年、世界をあっ!と言わせた出来事が起きました。
ひとつの国が「ビットコインを、国のお金にする」と宣言したのです。
その国の名前は、エルサルバドル。中央アメリカにある人口約650万人の小さな国です。
この記事でわかること
- エルサルバドルがなぜビットコインを法定通貨にしたのか
- 導入後に何が起きたのか
- 2025年に法律を変えたのに、今も買い続けている理由
そもそも、エルサルバドルってどんな国?

日本の四国とほぼ同じ面積の小さな国です。長年、ある大きな悩みを抱えていました。
- 国民の約300万人がアメリカなどへ出稼ぎに行っている
- 家族への仕送りがGDP(国の経済規模)の約2割を占める
- 銀行送金の手数料が送金額の約10%取られる
- 銀行口座を持っていない国民が多数
「手数料ゼロで即時送金できる」ビットコインは、この国にとって理想的な神的存在でした。
2021年、世界が驚いた「ビットコイン法」の誕生。

2021年9月7日、「ビットコイン法」が施行されました。その内容は衝撃的でした。
- ビットコインを米ドルと並ぶ法定通貨にする
- お店はビットコインでの支払いを断れない
- 政府公式ウォレット「Chivo」を全国民に無料配布
- ダウンロードした国民全員に30ドル分のビットコインをプレゼント
このニュースは世界中を駆け巡り、ビットコインの価格は大きく動きました。
導入から3週間で人口の30%がビットコインを使いはじめ「30ドルのプレゼント」につられた国民が続々とChivoをダウンロード。
わずか3週間で人口の約30%、約200万人が利用を開始しました。
国内最大の民間銀行の顧客数を上回る数字です。
銀行口座を持ったことのない人たちが、スマートフォンひとつで
金融サービスにアクセスできるようになったのです。
しかし現実は厳しく、
- 時間が経つにつれ、さまざまな問題が発生
- ・価格が激しく変動するため、お店も消費者も使いにくい
・地方ではスマホもインターネットもない地域がある
・「強制的に使わされる」という不満から反対デモが起きた
2024年1月の調査では、国民の約92%が2023年に一度もビットコインを使っていないという結果になりました。
IMFから「やめろ」の圧力

IMF(国際通貨基金)がエルサルバドルへの融資条件として、ビットコイン政策の見直しを強く求めました。
「ビットコインを法定通貨にしたままでは、融資はできない。財政の安定性に深刻なリスクがある」
— IMF(国際通貨基金)
「ビットコインへの夢」と「国を運営するために必要なお金」エルサルバドルは板挟みになりました。
ビットコインを「法定通貨」することを撤回

2025年1月29日、ビットコインの「法定通貨」としての地位を事実上撤回。
IMFとの14億ドルの融資交渉を成立させるための決断でした。
しかし、ここに驚きのポイント
・「使用義務」をなくしたが、政府は今もビットコインを買い続けている
・2026年時点の政府保有量:約7,500枚
・取得価格より大幅に値上がりし、大きな含み益
「法定通貨としては失敗、資産としては成功」と世界の専門家の間でも評価が分かれています。
まとめ
- 2021年、エルサルバドルは世界初のビットコイン法定通貨国
- 導入後、国民の約92%が使わないまま、2025年に事実上撤回
- 政府はビットコインの購入を続けており、含み益は大きく膨らんでいる
- ビットコインは「使うお金」より「持っておく資産(デジタルゴールド)」として認識されつつある