難しいことは何もない。
ただ、知ったら誰かに話したくなる、そんな話をします。
2010年、フロリダのある男の話から始めよう。
アメリカ・フロリダ州。ラズロ・ハニエツという名のプログラマーが、ある夜パソコンに向かってこんな文章を打ち込みました。
「誰か、10,000ビットコインをピザ2枚に交換してくれる人はいないかな。できれば大きいサイズで2枚。翌日も食べられるように」
ラズロ・ハニエツ(2010年5月18日)
この書き込みを見たロンドン在住の学生、ジェレミー・スターディヴァントが「いいよ」と返事。彼はアメリカのピザチェーン「パパ・ジョンズ」にオンラインで注文し、ラズロの家にピザを届けたのです。
4日後、ラズロは約束通り10,000ビットコインを送り取引成立。
この背景のやりとりが、ビットコインが世界で初めて「現実のモノ」と交換された瞬間だったのです。
2010年の1万ビットコインはピザ代と同じくらいの価値

今この記事を見ている人は、「1万ビットコインでピザ2枚と交換!!」と驚くかもしれません。でも当時のビットコインの価値は全然、大したことなかったんです。
【2010年5月22日 時点の価値】
・ビットコイン1枚の価値:約0.25円
・10,000枚の合計:約2,200円
・ピザ2枚の値段:約2,500円(25ドル相当)
ほぼ等価の”普通のやりとり”でした。
ラズロは損をしたわけじゃありません。当時のビットコインは「誰も使っていないデジタルデータ、ゲーム上でのスコアみたいなもので、それを「実際のモノと交換してみよう」という、ちょっとした実験だったのです。
ラズロは後にこう語っています。
「ビットコインは本当に面白いシステムだと思った。こんなに面白いのに誰も使っていない。誰も使わないなら、自分が全部持っていても意味がない」と。
ピザと交換したビットコイン今はいくらに?

時間が経つにつれ、ビットコインの価値は信じられないほど上がっていきました。
- 2010年 ピザとの取引 → 10,000BTC = 約2,200円
- 2011年 注目を集め始める → 10,000BTC = 約1,400万円
- 2017年 世界中が騒ぎ始める → 10,000BTC = 約200億円
- 2021年 史上最高値を更新 → 10,000BTC = 約600億円
- 2026年 今この瞬間 → 10,000BTC = 約1,440億円
2,200円が1,440億円になったんです。倍率にすると、約2,700万倍。
こんなことになるなんて、誰が予想できたでしょう?
ラズロも、ジェレミーも、ビットコインを作った人も、誰一人として予想できなかたのは言うまでもありません。
ラズロは「後悔していない」と言った

「1,440億円分のビットコインをピザに使って、後悔しないなんて嘘でしょ?」そう思いますよね。でも、彼の言葉を聞いてください。
「後悔はしていない。ビットコインの初期の歴史の一部になれたことは素晴らしいことだと思う。人々の心をつかむストーリーになった」
— ラズロ・ハニエツ(インタビューより)
実はラズロは、ただ「ピザを買った人」ではありませんでした。
彼はビットコインの初期開発者のひとりで、パソコンに難しい計算をさせて新しいビットコインを生み出す方法を見つけた先駆者だったのです。
ビットコインの世界をゼロから作ったひとりなのです。
ラズロのピザ購入があったからこそ、ビットコインは「ただのデジタルデータ」ではなく「価値のあるもの」として世の中に認識され始めました。
彼の行動は、ビットコインに命を吹き込んだ行為だったのですねー。
ビットコインってそもそも何なの?

ビットコインをひと言で説明します。
ビットコインとは「誰も管理していないのに、みんなが信頼を寄せるデジタルのお金」です。
皆さんが使用しているお金(円やドル)は、国の中央銀行が「これがお金だ」と決めて、銀行がやりとりを管理しています。
お金が動くとき、必ず銀行が間に入ります。
しかし、ビットコインは違います。国も銀行も間に入らない。
ビットコインが動くときは、世界中の無数のコンピューターが取引を記録し、お互いにチェックし合っています。
・普通のお金 = 銀行という”中間業者”を通じてやりとりする→中間業者次第で不正ができる
・ビットコイン = 世界中の人がネット上で”公開されている帳簿”を一緒に管理→やり取りを勝手に書き換えると、すぐに不正がバレる。
管理者が多ければ多いほど、不正は行われにくくなります。
ビットコインが「価値あるもの」として、扱われるのには、
発行できる数が2,100万枚と上限が決まっていることも一つの要因です。
金(ゴールド)が「地球上の埋蔵量に限りがあるから価値がある」のと同じように、ビットコインにも限りあるから価値が上がるのです。
「デジタルゴールド」と呼ばれている所以はゴールドと同じく資源に限りがある!が関係していたのですね。
まとめ:ビットコインの歴史で重要なこと3つ

チェックポイント
① 2010年、ビットコインが初めて「現実のモノ(ピザ)」と交換され、ビットコインの歴史の始まりに大きく影響。
② 2,200円相当だった1,0000BTCは、今や1,440億円。
③ ビットコインは誰も管理していないのに、みんなが信頼を寄せているデジタルのお金。
暗号資産の世界は、まだまだ奥深く面白い話だらけです。
次の記事ではある日突然姿を消した「ビットコインを作った人物」についてお話します。