
ビットコイン以外のすべての暗号資産は「アルトコイン」と呼ばれ、現在では数千種類以上が市場に流通しています。
ニュースやSNSでも「イーサリアム」「リップル」「ドージコイン」など、さまざまなアルトコインが話題に上がるようになり、興味を持ち始めたかたも増えてきました。
興味をもったはいいものの、
- ビットコインと何が違うの?
- どのアルトコインを選べばいいの?
- 初心者でも投資して大丈夫?
といった疑問や不安を感じているかたも多いはずです。
この記事では暗号資産初心者のかたに向けて、
- アルトコインとは何か?
- 種類ごとの特徴
- メリット・デメリット
- 初心者におすすめの投資方法
まで、わかりやすく解説していきます。
記事を読み終えたときには、アルトコインを理解し自分に合った投資の始め方が見えてくるはずです。それでは、アルトコインの世界への第一歩を一緒に踏み出しましょう。
アルトコインとは?初心者にもわかりやすく解説

まずはアルトコインのの初歩的なことを学んでいきましょう。
ビットコインとアルトコインの違い
「アルトコイン(Altcoin)」とは、「Alternative Coin(代替コイン)」の略で、ビットコイン以外のすべての暗号資産をさします。アルトコインという名前のコインがあるわけではなく、ビットコインに代わる通貨という意味で使われています。
ビットコインは2009年に、画期的なデジタル通貨として初めて登場します。
ブロックチェーン技術によって中央管理者なしで、安全に取引ができるというもので驚かれました。
ビットコインに続いて登場した通貨たちがアルトコインです。
違いを簡単に表にまとめました。
特徴 | ビットコイン | アルトコイン |
---|---|---|
誕生年 | 2009年 | 2011年以降(通貨によって異なる) |
主な目的 | デジタルゴールド | 多様(決済、スマートコントラクト等) |
流通量 | 最大2100万枚 | 通貨によって異なる |
知名度 | 非常に高い | 一般的には低め |
アルトコインは「ビットコインに似て非なるもの」と覚えておくとよいでしょう。
アルトコインの代表例
アルトコインには多種多様な通貨が存在し、それぞれに異なる目的や機能があります。代表的なものをいくつか紹介します。
- イーサリアム(Ethereum/ETH)
アルトコインの中でも最も有名で、スマートコントラクトと呼ばれる「自動契約システム」を搭載。分散型アプリケーション(DApps)の開発にも使われています - リップル(Ripple/XRP)
高速かつ低コストで国際送金をするために開発された通貨 - ライトコイン(Litecoin/LTC)
ビットコインよりも早い決済をするために開発された通貨。 - ドージコイン(Dogecoin/DOGE)
元々はジョークとして作られた通貨ですが、SNSやインフルエンサーの影響で人気に火がつきました。
このように、アルトコインは目的や特徴が大きく異なります。「何を目的に作られた通貨か?」を意識して見ることで、その価値や将来性が判断しやすくなります。
なぜアルトコインが存在するのか?
アルトコインが続々と誕生する理由は大きく分けて以下の3つです。
- 技術的な進化を追求するため
ビットコインの仕組みには限界があります。送金速度の遅さや処理能力の限界などです。これらを解決しようと、新たな技術を試す目的で生まれたアルトコインがあります。 - 特定の用途に特化するため
国際送金、分散型金融(DeFi)、NFTなど、ビットコインにはない機能を実現するための特化型の通貨が作られています。 - 新しい経済圏を構築するため
ゲーム内通貨やコミュニティトークンなど、独自の経済圏を築こうとしていて多様性が広がっています。
アルトコインは単なる「ビットコインの代替」ではなく、「新しい価値を提供する」ことに挑戦しているのです。。
アルトコインの種類と特徴

アルトコインには多種多様な種類があり、異なる目的を持っています。代表的なものをカテゴリに分けて、わかりやすく紹介します。
プラットフォーム系(例:イーサリアム、ソラナ)
概要:
ブロックチェーン上に「プラットフォーム」としての役割を持つ通貨です。主にスマートコントラクト(契約の自動実行)を活用し、金融、ゲーム、NFT、DeFi(分散型金融)など、さまざまな分野で利用されています。

スマートコントラクトとは「こうなったら、こうする」というルールが決められていて、そのルールが満たされると、自動でルール通りに実行されるシステムなんだ。
主な通貨例:
- イーサリアム(Ethereum / ETH)
スマートコントラクトの先駆けであり、最も開発者に支持されているプラットフォーム。DeFiやNFTの大半がここで動いています。 - ソラナ(Solana / SOL)
高速かつ低コストなトランザクションが特徴。イーサリアムの弱点を補う新興勢力として注目されています。※トランザクションとは「取引の記録」や「取引そのもの」のこと。 - アバランチ(Avalanche / AVAX)
独自のコンセンサスアルゴリズムで処理速度と分散性を両立。サイドチェーン機能も強力です。
※コンセンサスアルゴリズムは、ブロックチェーンや仮想通貨の世界で「みんなで正しい取引を決めるためのルール」です
特徴:
- 柔軟性が高く、他プロジェクトの基盤となる
- NFTやDeFi、DAOといったWeb3の中心的存在

DeFiとは「銀行や証券会社のような中央管理者がいない、新しい金融の仕組み」のことだよ。
NFTの詳しい記事はこちらへ→NFT入門
決済系(例:リップル、ライトコイン)
概要:
ビットコイン同様、「通貨」としての役割に重点を置いています。主に国際送金や日常的な決済を目指しています。
主な通貨例:
- リップル(Ripple / XRP)
送金速度が非常に速く、金融機関での実用化が進んでいます。中央集権的な構造が議論を呼んでいますが、現実的な用途では高評価。 - ライトコイン(Litecoin / LTC)
ビットコインの改良版ともいわれるもので、決済スピードが速い。手数料も低く、個人間の取引にも向いています。 - ステラルーメン(Stellar / XLM)
高速・低コストの国際送金
個人間や国境を越えた送金が数秒で完了し、手数料も非常に安い

送金速度が早く、手数料が安いことが主な特徴だね。
ステーブルコイン・ミームコイン・その他のカテゴリ
ステーブルコイン(例:USDT、USDC)
概要:
法定通貨(米ドルなど)と連動する比較的に価格が安定しているコイン。価格が安定しているため、決済や資産の避難先として重宝されています。
- USDC(USDコイン)
- USDT(テザー)
特徴:
- 暗号資産市場の「避難先」として人気
- ボラティリティを抑えた取引が可能

ボラティリティ(volatility)とは「価格の変動性」のことなのです。
ミームコイン(例:ドージコイン、シバイヌ)
概要:
ミームコインの「ミーム」とはインターネット上で広がるジョークや流行を指します。
ジョークで作られた暗号資産が主に「ミームコイン」と呼ばれていて、話題性で価値が動きます。
有名なアルトコインは、ドージコイン(DOGE)、シバイヌ(SHIB)です。
特徴:
- SNSなどでの市場の盛り上がりが価格に直結
- 投機的な性質が強く、初心者には注意が必要
このように、アルトコインには用途や技術によって多くの種類が存在します。「何に使われるのか?」「どんな技術が使われているのか?」を理解することで、投資判断がぐっと明確になります。
アルトコインのメリットとデメリット

アルトコインは「ビットコイン以外の暗号資産」として、語られています。
このセクションでは初心者のかたが、アルトコインを使用するときのメリット・デメリットをご紹介します。
アルトコインのメリット・デメリット
メリット
- 将来性のあるプロジェクトに早期から安く投資できる
- 分散投資のいちコインとして使える
- スマートコントラクト、NFT、DeFiなど、革新的な仕組みを体験できる
デメリット
- ビットコイン以上にボラティリティ(価格変動)が激しい
- 情報が少なく、見極めが難しい
- 詐欺的なプロジェクトが存在する
アルトコインはドカンと稼げる可能性があるので魅力的ですが、かなりリスクも高いです。下手したら全財産を失いかねません。
大切なのは情報をしっかり調べ、自分で判断すること。単に流行に乗るのではなく、その通貨の目的や技術、将来性を理解したうえで投資を検討することが、成功への第一歩といえるでしょう。
アルトコイン投資の始め方

アルトコインに興味を持ったら、次に気になるのは「どうやって始めればいいの?」ということでしょう。初心者でも迷わず始められるように、取引所の選び方から購入手順、おすすめの投資スタイルまでを丁寧に解説します。
国内・海外の暗号資産取引所を決める
アルトコインを購入するには、暗号資産取引所に口座を開設する必要があります。取引所は「国内取引所」と「海外取引所」に分けられ、それぞれに特徴があります。
- 国内取引所の特徴
- ・日本円で直接購入できる
・日本の法律(資金決済法等)に準拠している
・日本語対応、サポートが充実していて安心
- 海外取引所の特徴
- ・取扱銘柄が非常に多く、マイナーなアルトコインも購入可能
・手数料が安い傾向にある
・日本語非対応の場合や規制リスクがある
初心者は、まずは国内取引所で基本的な取引に慣れるのがおすすめです。その後、興味があれば海外取引所にもチャレンジしてみましょう。
アルトコイン購入までのステップ
ステップ1:取引所の口座を開設
↓
ステップ2:日本円を入金
↓
ステップ3:アルトコインを選んで購入
↓
ステップ4:ウォレットにアルトコインを移動して管理

初心者におすすめの投資スタイルは
少額分散投資、積立投資だな。
初心者が気をつけるべき注意点

アルトコイン投資は一攫千金が狙える一方で、初心者が陥りやすい落とし穴も存在します。ここでは、よくある失敗例や注意すべきポイントを紹介し、安全にスタートするための心構えを解説します。
価格に惑わされず、ホワイトペーパーやプロジェクト内容を確認
安さ=お得とは限らない
「1枚○円の安いアルトコインだから、将来上がったら大儲けできるかも」と思って購入する人は、少なくありません。しかし、価格が安いことと将来性があることはまったく別です。
重要なのは、作られたアルトコインが「何を目的として作られているか」「どんな問題を解決しようとしているのか」というプロジェクトの本質です。
プロジェクトの本質を見極めるために、ホワイトペーパーを読むことをオススメします。
ホワイトペーパーとは
開発者がその目的・構想・技術・将来の計画などを記したもの
詐欺やハッキングに注意
よくある詐欺例
- 「このコインは100倍確実に上がる」と煽るSNS投稿
- 有名人の写真を使った広告(実際には無関係)
- 無料でコインを配ると偽って個人情報を盗もうとするキャンペーン
暗号資産の世界では、「うまい話」には必ず裏があると考えて行動するのが鉄則です。
セキュリティ対策の基本
- 強固なパスワードを設定し、二段階認証を有効にする
- 取引所に資産を長期間置かず、信頼性の高いウォレットに移動
- フィッシング詐欺や偽サイトに注意し、ブックマークから公式サイトにアクセスする習慣を
税金や法律の理解も忘れずにしておきましょう。
日本では、暗号資産によって得た利益は雑所得として課税対象になります。利益が20万円を超えた場合、確定申告が必要になるため注意が必要です。
基本的な税務ルール(2025年現在)

年間20万円を超える利益 は確定申告が必要なんだ

売却や交換するたびに、勝った分に対しては課税されるぞ!
負けた分と勝った分を足して、帳消しにはされないので注意!
競馬と同じだな。
「わからないものには投資しない」ようにしましょう。
投資の基本は「理解してから行動する」ことです。SNSやネットの情報を鵜呑みにせず、自分で調べ、納得した上で行動することが大切です。焦って飛び込まずに、じっくりと知識を積み重ねることが、リスクを減らし成功につながる第一歩です。
今注目のアルトコイン5選【2025年版】

2025年現在、数千種類以上のアルトコインが存在していますが、その中でも特に注目度が高く、将来性が期待されているコインを5つ厳選して紹介します。初心者でも比較的わかりやすく、プロジェクトがしっかりしている通貨を中心に選びました。
1. イーサリアム(Ethereum / ETH)
特徴:
- スマートコントラクトの基盤として世界中の開発者に利用されている
- DeFi(分散型金融)やNFTの中心的存在
- 「イーサリアム2.0」へのアップグレードで省エネ化を進行中
- スマートコントラクトとは
- 「ブロックチェーン上で自動的に契約を実行する仕組み」。
(例)自動販売機では、「お金を入れてボタンを押す」という条件がそろうと、自動的に商品が出てきます。あらかじめ決められた条件が満たされると、人の手を介さずに契約(売買や決済など)が自動で実行されるのがスマートコントラクトです
NFTの詳しい記事は→NFT入門
2. ソラナ(Solana / SOL)
特徴:
- 高速かつ低コストなトランザクションを実現して、イーサリアムのスケーラビリティ問題を解決
- NFTやゲーム系プロジェクトでの採用が増加
※トランザクションとは「誰から誰へ、どれだけの価値が移動したか」を記録する、ブロックチェーン上の取引データのことです。
※イーサリアムのスケーラビリティ問題とは、トランザクションが増加したときに、ネットワークの処理能力が追いつかず、取引の承認が遅れたり、手数料(ガス代)が高騰したりする問題のこと
3. リップル(Ripple / XRP)
特徴:
- 別の通貨や決済ネットワーク間の橋渡しとして設計されており、国際送金を高速・低コストで処理できる
- ビットコインやイーサリアムのように新規発行がなく、すでに全て発行済み
- 完全な非中央集権型でない
なぜ注目?
リップル社と米SEC(証券取引委員会)の訴訟が一部決着し、再び上昇ムードに。実需を伴う数少ない通貨の1つとして再評価されています。
4. アバランチ(Avalanche / AVAX)
特徴:
- 独自のコンセンサスアルゴリズムで高速・安全な処理が可能
- 複数のサブネット(独立チェーン)を持ち、柔軟な運用が可能
- 多くのDeFiプロジェクトが参入中
代表的なコンセンサスアルゴリズムには「Proof of Work(PoW)」や「Proof of Stake(PoS)」があります。
コンセンサスアルゴリズムの詳しい解説は↓
なぜ注目?
1~2秒でトランザクションが確定し、秒単位で大量の取引を処理ができる。
複数のブロックチェーンを組み合わせたアーキテクチャにより、ネットワークの処理能力を分散し、スケーラビリティの問題を解決している。
- アーキテクチャ
- 「システムやサービスをどのような構造・設計で作るか」という「仕組みの全体像」
5. ポリゴン(Polygon / MATIC)
特徴:
- イーサリアムと同じような手続きを、早くできて手数料が圧倒的に安い
- ビットコインと比べて電力消費が少なく、環境にやさしい
なぜ注目?
イーサリアムの弱点を補完し、実用化が進んでいる数少ないプロジェクト。大型企業やゲーム業界との提携も多く、将来性あり。
紹介したアルトコインはいずれも注目されていますが、「値上がりしそうだから買う」のではなく、プロジェクトがどんな価値を社会にもたらすのか?を基準に選ぶことが重要です。
まとめ|アルトコインの理解は暗号資産投資の第一歩

ここまで、「アルトコインとは何か?」という基礎から、種類ごとの特徴、メリット・デメリット、投資の始め方、注目の銘柄までを幅広く解説してきました。最後に記事のポイントを振り返りながら、初心者のかたに向けて次の暗号資産投資の第一歩を提案します。
アルトコインの基礎を押さえよう
- アルトコインとは「ビットコイン以外の暗号資産」の総称
- プラットフォーム系・決済系・ステーブルコインなど、目的ごとに分類されている
- ビットコインにはない技術や用途を持ち、新たな価値を提供している
投資を始める際は「理解してから行動」
- 国内取引所での口座開設がスタートライン
- 初めての購入は少額・分散・積立など、リスクを抑えた方法がおすすめ
- 価格や流行に惑わされず、プロジェクトの中身(ホワイトペーパー)を確認する習慣を
リスクも把握して、賢く判断
- 詐欺やハッキング対策を怠らない
- 税金や法的ルールを理解する
- 分からないものには投資しない
最後までお読みいただきありがとうございました。
「アルトコインって面白そう!」と思ったなら、まずは国内取引所の口座を開設してみるのがおすすめです。最近では本人確認もスマホで簡単に完了でき、数日で取引を始められます。
知識と経験を積み重ねていくことで、あなたにぴったりの暗号資産や投資スタイルが見えてくるはず。焦らず、自分のペースで暗号資産投資の一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。