ブロックチェーン超入門:仕組みをサクッと解説

ブロックチェーン超入門:仕組みをサクッと解説

ブロックチェーンって、なんだか難しそう?


「ブロックチェーン

最近、ニュースやインターネットでよく耳にする言葉ですよね。特に、ビットコインなどの「仮想通貨(暗号資産)」と一緒に聞くことが多いかもしれません。

でも、「なんだか難しそう…」「専門用語が多くて、よくわからない…」なんて感じている方も多いのではないでしょうか?

確かに仕組みを詳しく知ろうとすると、複雑に感じるかもしれません。ですが、 ブロックチェーンの基本的な「考え方」や「仕組みのポイント」は、実はとてもシンプルなんです。

ブロックチェーンは、お金のやり取りだけでなく、私たちの暮らしや社会の様々な場面で役立つ可能性を秘めています。

この記事では、

  • コンピューターとか全然詳しくない
  • 難しい話は苦手…

という方でもわかるように専門用語をできるだけ使わず、身近な例え話を交えながら、ブロックチェーンが「どんなものなのか?」「何が便利なのか?」を、一つずつ丁寧に解説していきます。

この記事を読み終わる頃には、「なるほど、ブロックチェーンってそういう仕組みだったのか!」「なんだか面白そう!」と感じていただけるはずです。

さあ一緒に未来を変えるかもしれないブロックチェーンの世界を、ちょっとだけ覗いてみませんか?

ブロックチェーンを一言で言うと?「みんなで監視するデジタル台帳」

「ブロックチェーン」と聞いて、なんだか掴みどころがないなぁ…と感じているかもしれません。もし、誰かに「ブロックチェーンって、なんなの?」と聞かれたら、まずはこう答えてみてください。

「みんなで監視するデジタル台帳」です。

…と言われても、まだピンとこないかもしれませんね。少し分解して見ていきましょう。

まず「台帳」という言葉。

これはお店のお金の出入りを記録する「帳簿」や、会社の取引を記録する「取引台帳」などをイメージしてみてもらえればいいです。

何か大切な情報や出来事を「記録しておくもの」ですよね。

ブロックチェーンも同じで、「誰が誰にお金を送ったか」、といった取引の記録などを時系列に沿って記録していくためのものです。


次に「デジタル」。

これは文字通り、紙のノートではなくコンピューターやインターネットの世界で管理されるデータです。

ここまでは普通のコンピューターシステムにある「データベース」と、あまり変わらないように聞こえるかもしれません。

ブロックチェーンが革新的なのは、ここからです。

ビットさん
ビットさん

それが「みんなで監視する」。

普通の台帳、例えば銀行の預金通帳や会社の帳簿は、その銀行や会社の特定の組織や管理者が責任を持って管理していますよね。

記録を書き加えたり修正したりする権限も、基本的にはその管理者だけが持っています。

ブロックチェーンは違います。特定の管理者がいません。その代わりに、ブロックチェーンのネットワークに参加しているたくさんの人たちが、同じ台帳のコピーをそれぞれ持っているんです。

新しい取引の情報が記録される際に、参加しているみんなで「この記録は正しいかな?」とお互いにチェックし合います。参加者全員が「OK!」と承認して初めて、その情報が台帳に書き込まれる仕組みになっています。

一度書き込まれた記録は、後から誰か一人がこっそり内容を書き換えようとしても、他のたくさんの人が持っている台帳のコピーと内容が違うため、「あれ?この記録、おかしいぞ!」とすぐにバレてしまうのです。だから、不正な書き換えが非常に難しい

つまり、ブロックチェーンとは、信頼できる特定の誰かに任せるのではなく、みんなでお互いに監視し合い、記録の正確さや信頼性を保つ、新しい形のデジタル台帳なのです。

なんとなくイメージがつかめてきたでしょうか? 次は、ブロックチェーンのすごいところを見ていきましょう。

ブロックチェーンの特徴3選

ブロックチェーンの基本的な仕組みが、なんとなくイメージできたところで、今度はブロックチェーンの特徴をご紹介します。なぜこんなに注目されているのか、その理由が見えてきますよ。

不正な書き換えが不可能


ブロックチェーンの最大の特徴は不正な書き換えが不可能という点です。一度ブロックチェーンに記録された情報は、後から不正に書き換えることが、ものすごく難しい仕組みになっており、データの信頼性が極めて高いのです。

なぜ書き換えが難しいの?

同じ記録が世界中のコンピューターに分散して保存されているので、すべて同時に不正に書き換えするのは現実的に不可能。


データがデジタル上のチェーンで強固につながっていて、みんなで監視しているため透明性が高く、記録の信頼性が非常に高いのです。

ブロックチェーン上で、「どんな取引が、いつ行われたかなど」は、原則として、ネットワークに参加している人なら誰でも見られます。

不正が行われにく何か問題が起きた時も、記録を辿って原因を調査できます。

見られるものは匿名化されたID(アドレス)であり、個人情報ではありませんのでプライバシーは保護されていて安心です。

中央管理者が不要:システムダウンのリスクが低い

普通のインターネットサービスや銀行のシステムは、「中央管理者」となる特定の会社や組織が、大きなコンピューターでデータを管理・運営しています。これは効率が良い反面、もしその中央サーバーが攻撃されたり、故障したり、災害で止まってしまうと、サービス全体が利用できなくなるという弱点があります。

ブロックチェーンは特定の管理者に頼らず、ネットワークに参加しているたくさんのコンピューターが、お互いにつながって、システム全体を支えています。

これらコンピューターの一部が故障したり、ネットワークから切断されたりしても、他のコンピューターが動き続けていれば、システム全体が止まってしまうことはありません。

メタ鬼くん
メタ鬼くん

特定の管理者がいないため、不正が起きにくい。

複数のコンピューターで管理しているため、システムダウンのリスクも低いのだ。

契約の自動化:スマートコントラクト

ブロックチェーンの中には、自動で仕組みを動かす「スマートコントラクト」と呼ばれるものがあります。

あらかじめ決められたルールや条件(契約内容)をコンピュータープログラムにしておき、その条件が満たされたら、人の手を介さずに自動的に契約内容が実行される仕組みのことです。

例えば

AさんがBさんにデジタルの絵を売る → Bさんからお金が支払われたことを確認 → 自動的にデジタルの絵がBさんへ渡る。

飛行機が1時間以上遅延したら、自動的に保険金が支払われる。


こういった契約を人の手を介さず、ミスなく、スピーディーに実行できるのがポイント。

これにより

  • 人的ミスが無くなる
  • 仲介者が不要になってコスト削減
  • 海外との取引でもスムーズに行える

次は、具体的にどんなところでブロックチェーンが使われているのか、その例を見ていきましょう。

ブロックチェーンって、どこで使われているの?

ブロックチェーンが持つ「改ざんされにくい」「透明性が高い」「止まりにくい」といった特徴は、一体どんな場面で役に立っているのでしょうか? 実は、私たちが思っている以上に様々な分野で、ブロックチェーン技術は活用され始めています。いくつか代表的な例を見ていきましょう。

仮想通貨(暗号資産):ビットコインなど

ブロックチェーンが使わているもので最も有名なもの、ビットコインやイーサリアムといった暗号資産(仮想通貨)は、ブロックチェーン技術を基盤として作られています。

なぜブロックチェーン?

銀行のような「中央管理者」がいなくても、「誰が誰にいくら送ったか」という通貨のやり取りの記録を、安全かつ正確に管理できるからです。

  • 「改ざんの困難性」や「透明性」によって、不正な送金を防ぐ
  • みんなで取引の記録を監視し、信頼性を保つ
  • 国境を越えた送金が早くて安い

モノの追跡:食品や製品のトレーサビリティ

「トレーサビリティ」とは、製品が「いつ」「どこで」「誰によって」作られ、どのような経路で私たちの手元まで運ばれてきたのかを追跡できるようにする仕組みのことです。

なぜブロックチェーン?

  • 一度記録された情報は改ざんが非常に難しいため、産地偽装や不正な表示を防ぎ、情報の信頼性を高めることができます。
  • 消費者は、スマートフォンなどで製品についているQRコードを読み取るだけで、その製品がたどってきた道のりを正確に知ることができ、安心して購入できます。
  • 企業にとっても、品質管理の向上や、万が一問題が発生した際の原因究明偽造品の流通防止などに役立ちます。

どんなもに使われる?

  • 高級ワインの産地証明
  • マグロの漁獲から店頭に並ぶまでの履歴管理
  • 医薬品が正規品であることの証明


などに活用され始めています。

4.その他にもいろいろ

上記以外にも、ブロックチェーンの活用範囲はどんどん広がっています。

  • ゲームの世界: ゲーム内の希少なアイテムやキャラクターの所有権をブロックチェーンで証明し、プレイヤー間で安全に売買したり、他のゲームでも使えるようにしたりする試み(これはNFT:非代替性トークンという技術と関連しています)。
  • 投票システム: 投票記録をブロックチェーンに記録することで、不正な票の操作や改ざんを防ぎ、より透明で信頼性の高い選挙を実現しようという研究。
  • 各種証明書: 卒業証明書や資格証明書などをブロックチェーン上でデジタル発行・管理することで、偽造を防ぎ、オンラインでの提出や確認を容易にする。
  • デジタルアートや音楽: デジタル作品の「本物」であることの証明や所有権を記録し、唯一無二の価値を持たせる(これもNFTの活用例です)。

このように、ブロックチェーンは「信頼性」や「透明性」が求められる様々な場面で、その力を発揮し始めています。

次は、ブロックチェーンの未来について、少し考えてみましょう。

ブロックチェーンのこれから:未来はどうなる?

ブロックチェーンは今後どう発展していき、私たちの未来の生活に、どんな影響を与える可能性があるでしょうか?

ブロックチェーン技術はまだ発展途上にあり、解決すべき課題も残っています。

もっと身近なところで、意識せずに使う時代へ

今はまだ、「暗号資産」や「NFT」など、特別な分野で話題になることが多いブロックチェーンですが、将来的には、もっと私たちの身近なところで、その恩恵を受けるでしょう。

例えば、

  • お店のポイントカードや会員証が、ブロックチェーンで管理。偽造されにくく、複数の店舗で共通利用しやすくなるなんてことも考えられます。
  • イベントのチケットがブロックチェーン上で発行されれば、不正な転売を防ぎやすくなるでしょう。
  • 住民票や印鑑証明などの行政手続きが、ブロックチェーンを活用することで、もっと簡単・安全に。
  • 自分の個人情報(名前、住所、学歴、職歴など)を、企業などに預けるのではなく、自分で安全に管理し、必要な相手に必要な情報だけを開示する。

社会の「インフラ」としての役割

ブロックチェーンは社会の様々なインフラを高く効率的なものに変える可能性があります。

例えば、

  • サプライチェーン: 生産・加工・輸送・販売がブロックチェーンで管理され、透明で無駄のない物流が実現。
  • エネルギー: 家庭の太陽光発電で作った電気を、電力会社を通さずに、ブロックチェーンを使って近所の人と直接売買する。
  • 投票: 透明性が高く信頼できるインターネット投票システムが、ブロックチェーンによって実現。

新しいインターネットの世界「Web3」との関係

最近、「Web3(ウェブスリー)」という言葉を聞く機会が増えたかもしれません。

「Web3(ウェブスリー)」はデータが中央で管理されるのではなく、ユーザー自身がデータをコントロールできるような世界を目指すものです。

「データが分散している」「特定の管理者がいない」「改ざんが難しい」といったブロックチェーンの特徴が、Web3の目指す世界観とめちゃくちゃマッチしています。

大きな可能性を秘めたブロックチェーンですが、広く普及するためには解決すべき課題は多々あります。

  • 取引の処理速度
  • 法律の規制
  • 正しい認知の拡大

などが主なものです。

まとめ:ブロックチェーンは未来を変える技術

「ブロックチェーン」についてなんとなく理解できたでしょうか?

最初に「なんだか難しそう…」と感じていた方も、

  • みんなで監視するデジタル台帳
  • 改ざんがほぼ不可能
  • 透明性が高い
  • 特定の管理者がいなくても独自でうごく

これら基本的な考え方が、なんとなくイメージできるようになったのではないでかと思います。

基本的なことを知っておくだけでも、これからニュースで関連する話題を見聞きしたときの理解度が、きっと違ってくるはずです。

ブロックチェーンは一部の専門家だけのための難しい技術ではありません。正しく理解すれば、社会が抱える様々な問題を解決し、暮らしをより便利で、安全なものにしてくれる可能性を秘めたものなのです。

この記事を通して、あなたがブロックチェーンという新しい技術に触れて、より良い未来を歩む最初の一歩となるきっかけになれば、とても嬉しく思います。